志木市高齢者あんしん相談センターせせらぎ
認知症があっても一人歩きを楽しめるまちをつくるために
認知症地域支援推進員(所長・社会福祉士)の飯田です。
11月2日(金)、有楽町朝日ホールへ、「認知症になっても一人歩きを楽しめるまちづくり全国フォーラム2018」に参加してきました。
63歳で若年性アルツハイマー病と診断された当事者(男性)のお話を抜粋してご紹介いたします。
『徘徊(はいかい)』という言葉は、差別的な表現が含まれていると思う。いわゆる『徘徊』は、目的地を探して一人歩きしていることが多いのです。目的があって歩いているのに、皆さんが勝手に、「訳も解らず歩いている」と思っています。それは偏見ということではないでしょうか・・。
皆さんはどのように感じましたか?
国語辞典を調べると、『徘徊』とは、「あてもなく歩き回ること」と、説明されています。私自身も、認知症の方が道に迷ったりすることを『徘徊』と呼んでいました。また、認知症の方が、「その呼び方やめてほしい」という声があがり、自治体などで『徘徊』を使わない動きが広がっているという記事を目にしたことがあります。
今回の研修では、実際に当事者から、「無目的に歩いている訳ではない」、「苦痛に感じている」ということを知り、反省しました。
しかしながら、当事者の思いとは逆に、今年6月、警視庁が公表した「平成29年における行方不明者の状況」によると、2017年に認知症が原因で行方不明となった人は、1万5,863人に上り過去最多とのことです。そして、行方不明者のうち死亡事故につながることも多く、こうした実態があることも深刻に受け止めなければなりません。
志木市でも認知症の人が安心して、安全に一人歩きを楽しめるまちにするためには、公的補助をどうするか、誰が見守りをするかなど、課題はたくさんあります。
遠回りのようでも、認知症サポーター講座や声かけ模擬訓練などを通じて、市民の方一人ひとりに認知症の正しい理解を広め、呼びかけていくことが大切です。
これこそが、私たち高齢者あんしん相談センターが果たすべき役割なのだと改めて感じました。
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